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目次
FX取引を自動化するために、MT4プラットフォームでEAを作成する手順を、初心者でも分かりやすく解説します。
FXのEA（Expert Advisor）とは、為替取引において自動売買を行うソフトウェアです。MT4（MetaTrader 4）プラットフォームでEAを作る際の基本的な手順は次のようになります。
EA作成の手順
- MT4のインストール:
MT4をPCにダウンロードし、インストールします。 - MT4の起動とプログラミング環境の設定:
MT4を起動し、上部のメニューバーから「ツール」→「メタエディタ」を選択します。
メタエディタは、EAを作成するための統合開発環境（IDE）です。 - 新しいEAの作成:
メタエディタで「新規」をクリックし、「Expert Advisor（テンプレート）」を選択します。
EAの名前を入力し、「次へ」をクリックして進みます。 - プログラミング:
MQL4（MetaQuotes Language 4）を使用してEAをプログラムします。取引ルールや条件、ストップロスやテイクプロフィットなどの取引パラメータをコード化する作業が含まれます。
初心者の場合、基本的なEAのサンプルコードを参考にすると良いでしょう。 - コンパイル:
コーディングが完了したら、メタエディタで「コンパイル」ボタンを押してEAをコンパイルします。
コンパイルは、書かれたプログラムをコンピュータが理解できる形式に変換するプロセスです。 - テスト:
MT4に戻り、「戦略テスター」を使用してEAのパフォーマンスをテストします。
異なる市場条件や時期でEAをテストし、効果を確認します。 - 実際の取引アカウントでの使用:
テストで満足のいく結果が得られた場合、EAを実際の取引アカウントで使用できます。
しかし、リアルマネーを使う前に、デモアカウントでの十分なテストが推奨されます。
コード例
MQL4で3本の移動平均線（14日、25日、60日の単純移動平均線）がゴールデンクロスした時に自動でポジションを取るコードを紹介します。このスクリプトは、3本の移動平均線の交差（ゴールデンクロス）を検出し、その条件に合致した場合に買い注文（ロングポジション）を開く基本的なEAです。
//++
//| MovingAveragesCrossExpert.mq4|
//| Copyright 2024, MetaQuotes Software Corp. |
//| https://www.mql5.com |
//++
#property copyright "Copyright 2024"
#property link "https://www.mql5.com"
#property version "1.00"
#property strict
// エキスパートパラメータ
input int MA_Period1 = 14; // 移動平均1の期間
input int MA_Period2 = 25; // 移動平均2の期間
input int MA_Period3 = 60; // 移動平均3の期間
//++
//| Expert initialization function |
//++
int OnInit()
{
// EAの初期化
return(INIT_SUCCEEDED);
}
//++
//| Expert tick function |
//++
void OnTick()
{
double ma1_prev = iMA(NULL, 0, MA_Period1, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 1); // 前回の移動平均1
double ma2_prev = iMA(NULL, 0, MA_Period2, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 1); // 前回の移動平均2
double ma3_prev = iMA(NULL, 0, MA_Period3, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 1); // 前回の移動平均3
double ma1_curr = iMA(NULL, 0, MA_Period1, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0); // 現在の移動平均1
double ma2_curr = iMA(NULL, 0, MA_Period2, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0); // 現在の移動平均2
double ma3_curr = iMA(NULL, 0, MA_Period3, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0); // 現在の移動平均3
// ゴールデンクロスの確認
if(ma1_prev < ma2_prev && ma1_prev < ma3_prev && ma1_curr > ma2_curr && ma1_curr > ma3_curr)
{
// ロングポジションを開く
OrderSend(Symbol(), OP_BUY, 0.1, Ask, 2, 0, 0, "Golden Cross Buy Order", 0, 0, clrBlue);
}
}
//++このコードは、MT4のエキスパートアドバイザー（EA）であり、特定の条件下で自動的に取引を行うよう設計されています。コードは3つの異なる期間（14日、25日、60日）の単純移動平均線（SMA）を使用し、各平均線がゴールデンクロスを形成する際にロングポジションを開くようになっています。
実際のEA開発には、Lots数、資金管理、重要な経済発表時に自動手止める、利確と損切りの自動化などを実装する必要があります。
MT4でこのコードを使用する手順は、下記の通りです。
- メタエディタの開始:
MT4プラットフォームを開き、「ツール」メニューから「メタエディタ」を選択します。 - 新しいEAの作成:
メタエディタで「新規」を選択し、「エキスパートアドバイザー」をクリックして新しいEAを作成します。 - コードの貼り付け:
作成したEAのスクリプトウィンドウに、提供されたMQL4コードを貼り付けます。 - コンパイル:
コードを貼り付けたら、「コンパイル」ボタンをクリックしてコードをコンパイルします。エラーがないことを確認してください。 - MT4にEAを追加:
MT4に戻り、ナビゲーターウィンドウから新しく作成したEAを選択し、目的のチャートにドラッグアンドドロップします。 - EAの設定と実行:
EAを設定し（パラメータの調整など）、EAを有効にして実行します。
実際の取引に使用する前に、EAのパフォーマンスを十分にテストしましょう。バックテストやデモアカウントでのテストを推奨します。また、自動取引システムにはリスクが伴いますので、リスク管理にも十分注意してください。
確認事項
- このEAは基本的なものであり、実際の取引で使用する前に、バックテストやデモ環境で十分にテストしてください。
- マーケットの条件や口座のレバレッジ、スプレッドなどによって実際の取引結果は異なる場合があります。
- リスク管理のため、ストップロスやテイクプロフィットを設定することを検討してください。
OrderSend関数は最も基本的な注文関数ですが、実際にはより複雑なロジックが必要な場合があります。- 現在の価格データと過去の移動平均の値を比較して、ゴールデンクロスを検出します。ゴールデンクロスが確認された場合にのみ、新しい買い注文が実行されます。
EA開発の注意点
- 市場状況の理解: EAを作成する際は、外為市場の基本的な知識と取引戦略の理解が重要です。
- リスク管理: 自動売買は便利ですが、市場の急変動に対応できない場合もあります。適切なリスク管理戦略を設定してください。
- 継続的な監視: 自動売買ツールであっても、市場状況やEAのパフォーマンスに対して定期的な監視と調整が必要です。
追加のヒント
- MQL4の学習: EAを作成するためには、MQL4プログラミング言語についての基本的な知識が必要です。オンラインのチュートリアルやリソースを利用して学習しましょう。
- サンプルコードの活用: MT4のメタエディタには、EAのサンプルコードが含まれています。各サンプルを参考にして、自分のニーズに合わせたEAを作成できます。
- エラーチェック: コンパイル時のエラーや警告を確認し、必要に応じてコードを修正してください。
EAの開発は、FX取引において大きな利益を得るための強力なツールですが、市場のリスクも理解しましょう。自動売買ツールの開発と運用は慎重に行い、十分なテストを経て実際の市場で使用することが推奨されます。
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